形見分けとは?形見分けを行う際の注意点!
大事な方が亡くなり、供養の意味を込めて形見分けを行う方は少なくないと思います。ですが形見分けの定義が曖昧で、親族間のトラブルが発生することも…。この記事では形見分けと相続の違いや、形見分けの品、注意すべきポイントなどを紹介しています。気持ちよく故人の遺品を供養するためにも形見分けのポイントを抑えておきましょう。
形見分けと相続の違いとは?
ここではまず形見分けと相続の違いについて抑えておきましょう。形見分けとは故人が残した品を親睦のあった方や友人などに送ることを指します。受け取った方がその品物を見たり使ったりした際に、故人の思い出をふと振り返る。そんな形で遺品が残れば故人も品も喜んでくれることでしょう。このように形見分けには、「大切な人を失った悲しみに折り目をつけ、受け入れる」という儀式の意味合いも含んでいます。
これに対し相続は故人が残した「財産」を配偶者や子供が引き継ぐというものです。財産は主に現金や預貯金、株式などの証券、車や貴金属、さらには土地や建物などが該当します。そして相続には法律で定められた法定相続、遺言による相続、相続人で話し合い分割を決める分割協議による相続の三種類が存在します。
ここまでを一旦整理すると、形見分けは「市場価値は無いが故人が使っていたものを友人や親族に送り気持ちの整理と遺品の整理を行うこと。」相続は「配偶者や相続人が法律に沿って財産を引き継ぐこと。」という形になります。これを踏まえて次の見出しでは形見分けを行う品について紹介します。
形見分けを行う品物
形見分けを行う品についてこれといった決まりはありませんが、ここでは一般的な例を6つ紹介します。
宝石・アクセサリー
宝石やアクセサリーの類は形見分けの品として知られています。いくつもの親族がいる場合は好みや価値によってトラブルになる可能性もありますので事前に良く話し合うことをお勧めします。またあまりにも高価なものは相続税や贈与税の対象になりますので注意しなければなりません。
衣服・靴
故人が着ていた洋服や着物は形見分けとして送る場合、きれいにクリーニングをして送るのが鉄則です。最近では着物をそのまま送るのではなく、カバンなどに作り替えて送ることもあるようです。衣服の類で誰も使わないようであれば慈善団体に寄付するのもお勧めです。靴はいい皮のものであったり、高級なブランドのものだったりするかもしれません。サイズや好みに左右される物ですので送る際は事前に確認しておくのが賢明でしょう。
時計・文房具
もらった方がどなたでも使うことができますので形見分けとしては人気ですし、整理が楽な品と言えるでしょう。時計や万年筆などは修理やメンテナンスを施した上で送るのがマナーです。そのため事前に使用できるのかどうか確認をしておきましょう。また高級な時計は形見分けで済まされず相続対象になる場合がありますので市場価値を十分確認した上で送るようにしてください。
家具・食器
家具は比較的大きなものですので欲しい方を募るのがベストな方法でしょう。もし募集をかけなくても送る方に確認をとってスペースの確保をしていただく必要があります。食器はどなたでも使える品ですので綺麗に洗ってから送ると喜ばれるでしょう。
書物・写真やビデオ
書物は故人の所属していたサークルや趣味の合う友人に送ると価値が上がる、形見受けとしていい品物です。書物は人によって好みの振れ幅が異なりますので事前の確認は必要かもしれません。また趣味や研究で使っていた専門性の高いものはその分野の知人や団体に送るのもいいでしょう。遺品が社会に貢献できるのであればこれほどいい供養の仕方はありません。写真やビデオは故人を思い出す大事な材料となります。関係の深かった友人や親戚に贈りたいものですね。しかし思い出すのが辛く、受け取りたくないと思われる方もいらっしゃるかもしれません。そのような時はその方の思いを汲み取り無理強いはしないようにしましょう。
絵画や骨董品
絵画や骨董品は特に注意が必要です。なぜなら高価なものが多く相続税や贈与税の対象になることも少なく無いからです。また価値を知っていながら価値がないような素振りで遺品を持ち去るようなことからトラブルに発展するケースもあります。このような品は素人が見極めることは非常に困難ですので専門家に相談して価値を鑑定しておく必要があるでしょう。
形見分けを行う際の注意点
故人の遺品は一旦全て相続人に相続され、その後相続人の意向で形見分けとして送られるのです。これは形見分けが相続税や贈与税の対象であることを示し、親族間のトラブルに繋がる可能性があることを秘めていることになります。
形見分けの注意点として「110万」というのが一つの指標です。なぜなら110万を超えると形見分けのつもりでも相続や贈与になるからです。それゆえ先程紹介した腕時計や宝石、アクセサリー、絵画などは形見分けの中でも高額で課税の対象になりやすいため注意が必要なのです。知らずに受け取って裁判などのトラブルに発展しないよう十分確認してくださいね。
今回は遺品整理の形見分けについて紹介しました。課税対象かどうかの見定めや贈る方への確認を怠らなければ、形見分けは故人にとっても親族にとっても良いものとなるはずです。故人の死と向き合う手段として丁寧に行いましょう。