依頼前にチェック!遺品整理の問い合わせ~作業完了までの流れを把握しよう
遺品整理と聞いて、実際の手順を詳しく理解している人は少ないかもしれません。しかし、大切な人を亡くしたあとで、残された家族が必ず経験する作業でもあります。この記事では遺品整理を業者に依頼した場合の流れを説明します。業者に依頼する前に、チェックしておきたい基礎知識や役立つ情報をまとめました。
遺品整理業者に依頼できること
ひとことで遺品整理といっても、処理完了までにはいくつかの段階があり、最初からすべてを業者に任せることもできますが、部分的にサポートしてもらうこともできます。たとえば、遺品の整理や仕分けは遺族で行い、処分だけを業者に任せるようなこともできます。具体的にどのような作業を依頼できるのか、以下にまとめました。
仕分けや整理
遺品にまったく手をつけていない状態なら、まず仕分けと整理から始めます。遺品の中には銀行の通帳やカード類、証書などの貴重品や、アルバムや写真、手紙などの想い出の品が混じっているかもしれません。
それらをまず分類し、その後、残りの物品を使用可能なもの(親族や知人が再利用、または買い取って現金化)と不用品(廃棄処分)に分けます。遺品整理士の資格を持ったスタッフなら、遺族感情にも配慮しつつ、手際よく整理してくれることでしょう。
買取や処分
この項目は、不用品回収サービスと同じような内容になります。遺品の中にまだ使用できて現金化できるものがあった場合、依頼主が希望すれば自社または提携先で買取処分してくれます。もちろんその代金は依頼主に還元されるため、そのお金で作業費用の一部または全額を補うことができる場合もあるでしょう。
現金化できない不用物は、一般的な廃棄物として処理されます。通常の場合、遺品整理業者は一般廃棄物運搬処理の資格を持っているため、法やルールに則り、適切に処分してくれます。
供養やお祓い
遺品を処分するとき、故人の思い出がつまったようなものも、処分せざるを得ない場合があります。そういったものを単に廃棄物として処理するのは、遺族の心理としては辛いところ。遺品整理業者の多くは、お祓いや読経などの宗教的供養の仲介または代行を引き受けてくれるので、依頼者の精神的な負担を減らすことも可能です。
その他の代行サービス
依頼主に代わって、遺品整理と同時にしなければならないようなことを、業者がやってくれます。消臭などの特殊清掃や不動産関連の手続きがそれにあたります。どの項目が代行可能かは業者にもよりますが、さまざまなノウハウを持ち合わせているため、困ったらとりあえず相談してみる手もあります。
遺品整理の問い合わせ~作業完了までの流れ
実際に遺品整理を業者に依頼する場合の、問い合わせから作業完了までの一般的な流れを見てみましょう。
問い合わせ
遺品整理業者に電話をかけたらまず、依頼目的などの情報を伝えます。通常の場合、業者から現地調査をする提案があるので、あらかじめ日程等を準備しておくとスムーズです。逆にここで、現地調査をせずに料金の説明や契約を優先させるような業者には注意が必要です。過剰な追加料金などのトラブルを防ぐためにも、見積もりと契約は慎重に行いましょう。
現地調査と見積もり
スタッフが派遣され、目視による現地調査と見積もりがとられます。作業日程、内容や範囲はもちろん、遺族の要望などもここでしっかり伝えましょう。
契約
依頼する作業内容や料金面について、すべて納得したら契約です。料金などが折り合わなければ、この時点で断っても構いませんし、依頼内容を部分的に変えてもよいでしょう。強引に契約を迫ってくるような業者には気をつけたいところです。
作業と支払い
仕分けには、遺族が立ち会ったほうがトラブルを防げるかもしれません。その他の作業は終了後の確認だけでも構わないでしょう。依頼主が現場を確認して、支払いへと進みます。
遺品整理業者に依頼する際に注意するべきポイント
作業を依頼するときに、具体的にどのような点をチェックするべきか、ポイントをいくつか紹介します。
各種資格などの確認
ごくまれに無資格の悪徳業者が存在するので、資格類は必ず最初に確認しておきましょう。まず、一般廃棄物収集運搬許可は必須です。遺品整理で出た不用品を処分するにはこの許可証が必要です。産業廃棄物収集運搬許可と混同されがちなので注意します。
さらに、古物商の許可を持っている業者なら、処分する遺品の中に買取可能なものがあれば、直接買い取って現金化してくれます。あとは民間資格ですが、社団法人による遺品整理士という資格もあります。この資格を掲げている業者は、遺品整理のノウハウがしっかりしていると捉えてよいでしょう。
料金の透明性
料金の透明性は大切です。見積もりの段階で、作業ごとの料金はもちろん、追加料金が発生する条件や、その具体的な金額について、明確に説明できる業者を選びましょう。「全部で〇万円!」のようにおおざっぱな金額しか伝えてこない業者は、あとで法外な追加料金を請求してくる悪徳業者の可能性が高いので、注意します。
現地見積もりを比較
複数の業者から現地見積もりをとり、スタッフの対応等も確認しながら比較検討すれば、より納得して依頼できます。時間が許すのであれば、遺品整理においても相見積もりは有効な手段です。
分類や仕分けは遺族でする手も
遺品整理においては、すべての作業を業者に依頼するのではなく、遺品の分類と仕分けを遺族がしておくと、料金的にも安く抑えられます。貴重品や想い出の品だけでも遺品の中から取り出しておくと、作業がスムーズになり、余計なトラブルが減るのでおすすめです。
遺品整理の作業の流れと、注意すべきポイントについてまとめました。依頼前にはこの記事に軽く目を通し、遺品整理がどのように進むかを確認しておくとよいでしょう。実際に遺品整理をする際にスムーズに進めることができますよ。